キングダムで1番活躍するのは当然主人公の信と嬴政ですが、それ以外にも信の同期として活躍する若手将軍が複数います。
その急先鋒といえるのが、王賁と蒙恬の2人です。そして、彼らが初登場して活躍したのが、山陽平定編となります。
その他、山陽平定編では、一応味方ではありつつも一筋縄ではいかない曲者将軍たちも活躍します。
ここでは、そんな山陽平定編の感想と考察をまとめていきましょう。
「キングダム」山陽平定編!感想と考察総集編【ネタバレ注意】
山陽平定編!感想と考察見出し
- 秦趙の『同盟』
- 魏攻略はじまる
- 魏軍総大将廉頗との戦い
- 廉頗強襲
①秦趙の『同盟』
王騎が亡くなってからそれほど時間の経っていない時期のことです。なんとその王騎を仕留めた大敵である、李牧が秦へ来ることになったのです。
当然、秦の諸将は李牧の暗殺を企てます。李牧も当然それは承知しており、まさに一色触発状態のまま両者は相対することになりました。
秦側の代表者は呂不韋で、両者の将軍は2人の会話を、固唾をのんで見守りました。最初に口を開いたのは李牧です。
曰く、秦は魏を攻めたい一方で趙は燕を攻めたい一方、お互いの国が邪魔で攻めることができない状態が続いてる、と述べました。そこで李牧は秦が魏を攻めているのなら趙は手出しをせず、趙が燕を攻めているなら秦は手を出さないことを提案しました。
呂不韋はこの提案を飲むも、趙の城をひとつ明け渡すことを提案して李牧もそれを承諾。李牧は無事に趙に帰ることになり、一時的な秦趙の同盟がなりました。
②魏攻略はじまる
いよいよ魏の攻略がはじまると、信は戦場で自分と同じく若い将軍に出会います。それが王賁と蒙恬です。
2人は信とは違って名族出身で、洗練された武と知略で、信を出し抜いて手柄をあげていきました。信率いる飛信隊もまた、彼らに負けず、手柄をあげていきます。
連戦連勝を繰り返す秦軍でしたが、そこに大きな暗雲が立ち込めます。秦軍の1000人将を、正体不明の敵が暗殺したのです。
その正体不明の敵こそ、魏の総大将、廉頗の腹心である輪虎でした。
③魏軍総大将廉頗との戦い
総大将が廉頗だと伝わり、秦軍は浮足立ちます。廉頗は元々趙の将軍で、「三大天」と呼ばれる李牧と同格の将軍だったからです。
しかも、廉頗には輪虎をはじめとして強力な部下が4人おり、部隊の厚さは相当なものでした。秦軍が圧倒的優勢だった山陽攻略戦は、一転してほぼ五分の状態にもつれ込むことになりました。
そんな沈黙を破ったのは、意外にも廉頗軍の方でした。秦の将軍を暗殺した輪虎が、圧倒的なスピードで本陣へと突撃してきたのです。
しかも同時に本陣に廉頗が現れ、一転して秦軍はピンチに陥ることになりました。
④廉頗強襲
信は廉頗の腹心輪虎と戦い、死闘を演じてなんとか討ち取ります。休む暇もなく信は本陣へと帰りますが、そこにはすでに総大将蒙驚と相対する廉頗がいました。
王騎と互角レベルの強さを持つ廉頗のプレッシャーに押し負ける信。しかしただ1人、蒙驚だけは廉頗に対して堂々と問答を続けました。
彼との問答の中、王騎のことを「六将軍の面汚し」と罵倒されたことで激昂した信。彼は王騎の最期を、偉大さを廉頗に伝えます。それを聞いた廉頗は次の時代の風を感じて和睦を申し入れ、それが締結されたことで秦の勝利に終わりました。
「キングダム」山陽平定編の見所と考察
個人的に思う、山陽平定編の見所は以下の4つです。
- 2人の巨人
- 輪虎との戦い
- 廉頗の和睦
- 本格的な侵略に乗り出す秦
それぞれのシーンについて考察と感想をまとめていきましょう。
①2人の巨人
山陽平定編の前哨編として、呂不韋と李牧の対談が描かれるのですが、ここが非常に印象的でした。李牧も呂不韋も形は違えど嬴政と信の夢を妨害する敵で、お互いが「巨人」として描かれていたのが印象的です。
視覚的に大きく描くことにより、いかに彼らが信たちにとって強大な敵な存在なのかを読者にわかりやすくしていて、地味ながら山陽攻略編の名シーンのひとつだと思います。
お互いの思惑が交差するところも印象的で、軍略の戦いとは違う、ある種「汚い」戦いでしたね。李牧がこういう商談めいたことができることも含めて、より敵の強大さを表せていたと思います。
②輪虎との戦い
山陽平定編では、信は廉頗四天王の1人である輪虎を相手取って戦うことになります。この輪虎と信との戦いは、まさに信が古い世代を超えようとする戦いでしたね。
王騎の1番弟子である信と、廉頗の腹心である輪虎は、お互い師の教えとプライドをかけての戦いでした。
多くの面で正反対の2人でしたが、両者ともに師へとかける想いは同じというシチュエーションが何よりもアツかったです。最終的に輪虎は討ち取られることになりますが、以後もたびたび回想に出演しているあたり、信にとっても強敵だったのでしょう。
読者から見ても、最後まで緊張感のある、気の抜けない戦いでしたね。この戦いで信はまた1段階成長したように思えます。
③廉頗の和睦
王騎と並ぶ、まさに伝説の武将として描かれるのが廉頗です。この時点での彼の強さはあまりにも圧倒的で、読者的にも勝ち目はあるのか不安になりました。
結局廉頗に刃は届かず、信が伝えた王騎の最期に思うところがあったのか廉頗は和睦を申し出ます。このときの廉頗の表情が妙に満足気で、彼の感情と『規格外』な雰囲気がよく出ていましたね。
「止めじゃ」の一言で戦を終わらせてしまうあたりも、廉頗という人物の大器を表していて、非常に印象的なシーンだったと思います。廉頗からすれば合理的な判断ではあったようですが、あの状況で合理的な判断ができるあたり、さすがの将軍だと感じました。
④本格的な侵略に乗り出す秦
山陽を奪取したことで、秦軍は本格的に中華統一へ向けて動き出すことができるようになりました。廉頗の言葉から、信は『中華統一』という夢を再度仰ぎます。
しかし一方、中華統一の道は血塗られた路にもなります。当然、嬴政はそのことを承知して覚悟を決めていました。
そしてその第一歩として、秦軍は山陽に東群の設置を宣言します。これは、秦が領土拡大を目指し、引いては中華統一を目論むことを全土に宣言するのと同じです。
まさに後戻りのできない選択といえるでしょう。この時の諸将の表情がカッコよくて、かなり印象に残るシーンでしたね。
「キングダム」山陽平定編まとめ
今回はキングダムにおける山陽平定編の感想と考察についてまとめました。王賁・蒙恬という印象的なキャラの登場や、王騎たち伝説の武将の背中の遠さがよくわかる章だったと思います。
そして信たちは、彼らの背中を追うのではなく、彼らの伝説を塗り替えることを目標とするようになります。すなわち、中華統一を改めて目指すことになるのです。
しかし次の章では、中華統一の路が一体どのようなものなのか、どれだけの反感を買うのか、改めて思い知ることになります。
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