実写化やアニメ化などで、非常に高い人気を勝ち取ったキングダム。
今や中華統一へと進み続ける信ですが、その旅のはじまりは悲痛で苦しいものでした。
それが、キングダム1巻から5巻における王都奪還編です。
ここでは、そんな王都奪還編を振り返りつつ、その感想をまとめていきます。
王都奪還編がどのような話だったのかを思い出したい方や、感想を共有したいと思っている方、ぜひ最後までお読みになってください。
「キングダム」王都奪還編の展開!感想と考察総集編【ネタバレ注意】
王都奪還編!感想と考察見出し
- 信に訪れる別れと出会い
- 山の民たちとの面会と政の覚悟
- 絶望的戦力差の中での王都奪還
- その後
①信に訪れる別れと出会い
時は古代中国、後に春秋戦国と呼ばれる時代。中国は多くの国に分裂し、血で血を争う戦いが泥沼化していました。
主人公の信は、そんな戦争で両親を失い、秦という国で貧しい暮らしを強いられた少年です。しかし彼は決して現状を悲観してはいませんでした。
なぜなら、親友である漂と共に、大将軍になる夢があったからです。
そんな彼らの元に、千載一遇のチャンスが訪れます。政府の役人が、2人の元を訪れ、漂のことを召し上げるというのです。
漂はこのチャンスに飛びつき、役人の元へ士官します。信は親友から置いていかれることになりました。
失意に胸を貫かれる夜、信の元に訪問者があります。それは瀕死の漂でした。
漂はなんと秦王の影武者として召し上げられたのです。この時の悲痛な信の顔は今でも忘れられない名シーンですね。
漂は今際の際、信にある場所に行くように指示します。その道中、信は梟の被り物をした不思議な少女、河了貂と出会い、彼女の助力を得ながらも敵と戦いつつ走り抜けます。
命からがら信がその場所へ赴くと、待っていたのは漂にそっくりな少年、政でした。
彼は後に始皇帝になる、秦の王です。しかし現在、宮中では政の弟によるクーデターが勃発しており、彼は命を狙われる身でした。
亡き漂のため、そして自分のために大将軍になる決意をあらたにする信。その第一歩が、まさにこの出会いだったのです。
②山の民たちとの面会と政の覚悟
一旦の無事を得た信・政・河了貂の元に、政の忠実な部下である昌文君が合流します。彼は現状を3人に説明しますが、状況は絶望的でした。
現在王都は政の弟・成蟜に占拠されつつある状況でした。王都を固める兵は8万。わずかな手勢だけで立ち向かえる数ではありません。
その時、昌文君があることを思い出します。秦の国には、400年前にかわされた山の民との同盟があったのです。
それを頼りにし、山の民の元へと赴く信一行。彼らは物々しい仮面をつけた山の民たちに連れられ、彼らの王である楊端和の前に引き出されます。
同盟の話を出す間もなく、拘束される一行。なんと楊端和は400年間も山の民を差別し続けた秦国への報復として、政の首を取るつもりだったのです。
そんな楊端和を止めたのは他ならない政の覚悟でした。彼は全ての争いに終止符を打つため、中華を統一するという野望を楊端和の元で宣言します。
この時の政の堂々とした顔は、王都奪還編屈指の名シーンですよね。彼の言葉に賛同した楊端和は、秦との同盟を復活させると宣言しました。
③絶望的戦力差の中での王都奪還
山の民の協力は得られたものの、王都を守る兵8万に対して山の民の数は3000ほど。山の民は精強ですが、どうにかできる戦力差ではありません。
そこで信達は一計を案じ、山の民が協力しに来たという名目で王都に潜入することになりました。果たして戦いの火ぶたは切って落とされます。
奇襲をかけられる形になった成蟜軍は右往左往し、信はまっすぐに成蟜の元へと向かいます。信に追いかけられて逃げる成蟜。
しかしその先には、政をはじめとした一行が待ち構えていました。成蟜をそそのかしてクーデターを首謀した竭氏も首を取られ、成蟜は万策つきます。
成蟜は政に殴られ続けたことで降伏し、王都のクーデターは終結することになりました。
④その後
再び王位に返り咲いた政は、戦後処理をはじめます。しかしその処遇はかなり甘いものでした。
反乱の首謀者は戦いの中で首を取られたものの、それに賛同した者たちはほとんどが咎めなしに生き残ることになったのです。
そして信は戦いの報酬として土地と家を与えられ、正式に秦に召し抱えられることになりました。同じく戦いで活躍した河了貂も信と同居することになります。
しかし、本当に裏で糸を引いていた呂氏については手を出せずじまい。秦は内乱の火を抱えたまま、次の戦いに突入することになります。
「キングダム」王都奪還編の見所と考察
ここからは、個人的な王都奪還編の見どころを紹介します。
個人的に考える、王都奪還編の大きな見どころは4つです。
- 決意を新たにする信
- 政の「路」
- 楊端和の号令
- 政の一喝
①決意を新たにする信
王都奪還編で、信は親友の漂を早い段階で失います。
その時の彼の悲痛な表情は忘れられません。
「2人で天下の大将軍になるっつったじゃねェかよ!!」
という信に対して、笑顔で「なるさ」と答える漂の心境を考えると胸が痛くなりました。
そして漂の「託した」という言葉に歯を食いしばり、託された地図の元へ向かう信の姿は、王都奪還編随一の名シーンだと思います。
まさに信が戦い続ける原点ですね。
②政の「路」
政と楊端和の問答も、王都奪還編の名場面だと思っています。彼が自分の信じる「路」を宣言する場面ですね。
楊端和が政を処刑しようとした瞬間、彼が中華の統一を宣言する姿はまさに皇帝そのものといえるカッコよさでしたね。「人を分けるから争いが生まれる」というのは、まさに現実世界でもいえることだと思います。
そして何より、政の野望に胸を撃たれた楊端和の言葉もたまりません。
「もし本気で山の民を想うなら、彼らの見た夢を現実に変えてやることだ」
このシーンだけで、政が紛れもない皇帝であること、そして楊端和が決して野蛮なだけでない、器の大きい王であることがわかる名シーンでした。
漂が倒れるシーンが信の原点なら、中華統一を宣言するこのシーンは、政の原点ですよね。
③楊端和の号令
楊端和が山の民の言葉で「血祭りだ!」と宣言する場面も、素晴らしい名場面だと思います。
あれだけ恐ろしかった山の民たちが、楊端和の号令に沸き立ち、心強い味方となるシーンは胸が奮えまくりました。
山の民たちはこの後の戦いでも良いところで援軍にやってきては窮地を救ってくれますが、その最初がここですよね。楊端和の勇ましい顔も合わせて、カッコいい場面です。
④政の一喝
王都奪還編の内、個人的に最高の名シーンだと思うのが、政が成蟜を一喝する場面です。彼が、成蟜のことを「人を知らない、世を知らない」と一蹴するシーンですね。
このシーンでは政が持つ圧倒的な器の大きさがわかります。そして、彼が人の痛みを知れる、人間味のある王であることも伝わってきますよね。
一般的に始皇帝という暴君というイメージが強いと思います。しかし、このシーンは、キングダムにおける始皇帝のイメージを一新させた名シーンです。
特に「人の痛みを知れ!」と叫び、成蟜をひたすら殴り続けるシーンはこれまでの成蟜の行いもあって、かなり胸がスカッとしました。王都奪還編の最後を彩る、最高のシーンだと思います。
「キングダム」王都奪還編まとめ
この記事では、王都奪還編の感想をまとめました。たったの5巻の間にこれだけのエピソードが凝縮されているのですから驚きですよね。
今読み返しても面白いエピソードで、漫画としてしっかりまとまっています。キングダムが以後大人気になったのも頷けますね。
ここからは、呂氏との内紛や、いよいよ本格的な戦いなどに突入していきます。そして何より信の第二の原点である王騎将軍の戦いも見逃せませんね。
ご自由にコメントをどうぞ!!